刺身包丁は、「柳刃」、「タコ引き」「フグ引き」の3種類に大別されます。刃の特徴は細身ですが、刃の形や幅が少し異なります。
◎柳刃
もともと関西地方で使用されていましたが、現在では全国で広く使用されており、最も一般的に使用されている刺身包丁です。刃先が鋭く、刃幅が狭い。刃元から刃先まで柳の葉のようにやわらかな曲線をしているのが特徴です。その形が柳の葉に似ているので、「柳刃」と呼ばれます。刃先が非常に鋭利であるため、切り込みなどを入れる細工造りに適しています。仕事の幅広さも人気の理由のひとつです。
◎タコ引き
「タコ引き」と「柳葉」の最大の違いは刃の形ですが、タコ引きは切っ先が角になっています。刃は曲がっていませんが、刃のあごから刃先まで直線なので、長さを取りやすいです。そのため、マグロなどの長くて幅の広い魚を扱うのに適しています。また、柳刃よりやや薄いため、赤身の肉を柔らかくするのにも適しています。主に関東地方で使用されていますが、最近では柳刃の需要が高まっています。
◎フグ引き
柳刃のように、鋭い先端とやわらかな曲線を持っています。柳葉やタコ引きよりも刃の幅が狭く、刃も非常に薄いです。そのため、フグ、コチ、カレイなどの白身魚に適しています。特にふぐ料理店では需要が高いです。